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名古屋高等裁判所 昭和52年(ラ)140号 決定 1977年10月20日

抗告人 有限会社南国産業

右代表者清算人 神田栄信

右代理人弁護士 小久保義昭

相手方 後藤芳治

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

一  本件抗告の趣旨及び理由は、別紙即時抗告申立書(写)に記載されているとおりである。

二  記載によると、

1  相手方は昭和簡易裁判所昭和五二年(手ハ)第八号約束手形金請求事件(原告は本件相手方、被告は本件抗告人ほか一名)の仮執行宣言付手形判決に基づき昭和五二年九月九日原裁判所に対し債権差押及び転付命令の申立をし、同庁は利害関係人の審尋をすることなく同月一〇日債権差押及び転付命令を発したこと、右命令正本は同月一二日第三債務者(株式会社中京相互銀行)に、同月一七日抗告人に、それぞれ送達されたこと、

2  他方、抗告人は昭和簡易裁判所に対し前記手形判決について異議の申立をすると共に強制執行停止決定の申立をし、同庁は同月一二日、抗告人に金一五万円の保証を立てさせたうえ、「手形判決に基づく強制執行は異議訴訟の本案判決のあるまでこれを停止する」旨の決定をしたこと、

3  抗告人は同月二二日当庁に本件即時抗告の申立をし、併せて右強制執行停止決定の正本を提出したこと、

が認められる。なお抗告人は、右停止決定正本が同月一四日に債権者である相手方に送達されたと主張するが、この事実を認めるに足りる資料はない。

三  そこで考えるに、利害関係人の審尋を経ないでなされた債権差押及び転付命令の執行に対する不服申立は、民訴法五四四条一項の規定による執行方法に関する異議のみが許されると解するのを相当とするから、即時抗告をもってした本件不服申立は不適法といわざるをえない(なお、本件債権差押及び転付命令は、前示のとおり昭和五二年九月一七日債務者及び第三債務者に対する送達が完了し、その執行手続を終了したのであるから、それ以後に右命令に対して執行方法に関する異議による不服申立をする余地もない)。

四  よって、本件抗告は不適法であるからこれを却下することとし、民訴法九五条、八九条を、適用して、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 村上悦雄 裁判官 深田源次 春日民雄)

<以下省略>

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